強いて言えば顎の上のニキビ

musical/sweets/mental

アラサー繊細さんが真剣に将来を考えとき、結局現状維持という結論にたどり着いた話(後編)

 

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前回の記事から随分と日が経ってしまった。


今回は繊細さんが行き詰まった時に効果的な方法(後編)「話すこと」について私が実践した内容を、美味しい料理の写真とともに紹介お届けする。

 

前回紹介した「書き出す」という工程で、自分の悩みや置かれている現状を明らかにし、自分の本心を知ることができた。

次は違う角度から現状を知るために、他人に相談してみよう。

 

ここで重要なのは、相談相手の選び方である。

相手との関係性は近すぎても、遠すぎてもいけない。

あなたのことをよく知る家族や親友なら、あなたの性格からあなたが最も安全だと思う道を提示してくれるだろう。

しかし、より客観的に状況を判断してもらうためには先入観がない状態で、話を聞いてもらう必要がある。

この場合はあなたの性格を知りつつ、尚且つあなたが気を遣わない程度にプライベートな話ができる友人が望ましいだろう。

久しぶりに会って、近況を報告し合うような友人がベストだ。

 

相手に相談するときは、話す内容を箇条書きにしておくことをお勧めする。

情報過多になりやすい繊細さんも、過不足なく相手に説明することができるだろう。

携帯のメモ機能にこっそり忍ばせると便利だ。

 

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私は、年に数回近況を報告し合う高校時代の友人に相談することにした。

詳しい内容については、前回の記事をみてほしい。

https://blog.kanehana.com/entry/2019/09/10/215656

 

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友人は私の悩み聞き終えると、一呼吸おいてこう言った。

「あなたは現時点で、仕事と恋のどちらに重点を置きたいの?」

それは、確信をつく質問だった。

 


友人の提案は以下の4択だった。

《結婚を考える場合》

1、今の会社では結婚後も働き続けるは難しいため、転職する

2、今の会社で働き続けながら婚活をし、寿退社を目指す

《結婚を考えない場合》

3、入社3年を待ち、転職する

《現時点では選択できない場合》

4、現状維持

 

恥ずかしながらフィアンセは存在しないため、結婚など考えてはいなかった。

しかし年齢を考えると、人生設計においてかなり重要なワードである。

近況報告の中で、恋愛についても上手くいっていないことを話していたため、それを踏まえた上での提案だった。

 

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さらに友人は、次のように続けた。

「それにあなたの話を聞いていると、今すぐ動かなくてもいいのかもね。あなたは今もがいている状態だから、今後の方向性が決まってからの方が後悔しないんじゃない?選べないのであればまずは現状維持。」

 

また、同時に転職についてもいろいろと有益な情報を教えてくれた。

詳しい内容は個人が特定できてしまうため伏せるが、転職についての自分の現状は、思っていたよりも明るいものであったらしい。

 

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結果的に私は、友人の提案の4を選択して今に至る。

彼女の言葉に納得し、自分で考えた結果だ。

友人の言う通り、今後の選択肢を増やせないかともがいている最中である。

まずは方向性を決めること。それまでは、別の意味でいろいろと動いてみる動いてみることにする。

 

*総括

・相談することで、他者からみた自分の現状を知ろう

・相談相手は程よく距離感のある相手を選ぼう

・自己分析と他己分析の結果から自分の現状を把握し、今後の方向性を考えよう

 

今回の舞台は栃木県那須塩原市にあるGorilla Loungeさんだ。

https://gorillalounge.owst.jp

店内は半個室になっており、ソファー席ということもあって、ゆったりと美味しいお料理とお酒をいただきながら、充実したひと時を過ごすことができた。

ごちそうさまでした。

 

 

 

 

 

 

 

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正しく在ることと他人への敬意は比例する『これは経費で落ちません』第6話

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台風が過ぎ去ったというのに、まだまだ暑さは続いている。

しかし、朝晩の冷え込みと時折吹く爽やかな風に、少しだけ秋を感じるようになった。

写真は加工なしの秋の空。

 

リアルタイムだと、既に第8話の放送が終了している『これは経費で落ちません』。

今更ながら第6話の感想を書こうと思う。

 

というのも、大変心を動かされた話であったため、乱雑に書きなぐるメモ書きのような感想ではなく、ゆっくりと内容や感想を整理した記録として残しておきたいと思ったからである。

 

 

今回の主役は、経理部の新入社員麻吹美華さん。

自分を隠して人に合わせるのが苦痛で、これまでに7度転職を経験しているいわゆるトラブルメーカー。

完璧正義を目指している彼女と、持論を戦わせる社員たち。

事なかれ主義の日本人の本質に焦点を置いた、興味深い内容だった。

 

麻吹さんは常に正しい。 誰もが思っても口にしないことを躊躇いなく言葉にする。

「大人しくルールを守っている人が損をして、ごねてルールを破る側が得をする。間違ってませんか?」

「相手が神だろうと何だろうとアンフェアや間違いは正すべきだし、疑惑があれば追求すべきです。」

ええ、そうです。そうですとも。おっしゃる通り。ごもっとも。

しかし、暗黙の掟や読まなければならない空気を無視してまで守らなければならないルールなど、日本の社会にはそうそうないのです。麻吹さん。

 

大抵の人は例え自分が正しいと確信していたとしても、間違いを正そうとはしない。

こちらが譲歩する方が楽だし、何より波風を立てることを嫌うからだ。

 

しかし、麻吹さんは誰もが口を閉ざす場面でも真っ向から反論する。

それは上辺だけの関係を築くことよりも、相手にも「きっと理解してもらえる」と信じて疑わない純粋な誠実さから生まれる行動だった。

「周りとうまくやるために、自分を偽ってみたこともあったわ。でもスーツの裾が全部ボロボロになった。」

「人は成長するの。だから相手を信じて正しいことをするの。初めは嫌われたり疎まれるかもしれない。でもきっと分かってもらえる。」

そして他人以上に自分に厳しい彼女には、自分に非があると分かれば素直にそれを認め、謝罪し、相手の意見を受け入れる素直さがあった。

それは、誰もが嫌う秘書課の有本さんに対しても変わることはなかった。

「憶測で有本さんを疑うなんて、アンフェアでした。変わらなきゃいないのは私です。ご迷惑をおかけしました。」

誰もが出来ることではない、彼女の大きな長所である。

 

経理部の面々も当初は彼女の意見を聞き流し、受け入れようとはしなかったが、彼女の本質を知ったことで徐々に受け入れていった。

 

 

そして、前回のお話から自分の仕事に迷いを見せていた森若さん。

彼女の過去と現状を全て理解した上で、麻吹さんははっきりとこう言っている。

「あなたは正しいことをした。あなたは何も間違ってません。」

この台詞は、まだお互いを理解し合えていない入社初期(入金業務を教えるために銀行へ向かう時)と、クライマックスで有本さんの不正を暴いた時の2度発言している。

最初は説得力のなさに首を傾げていた森若さんだったが、お互いを理解し合えた後で再度出た彼女の言葉は森若さんの心に強く響いたようだった。

例えその結果が、グレーゾーンの人間を追い詰める形となったとしても、自分のやってきた仕事は間違っていなかったのだと、誠実で正義の塊のような麻吹さんに太鼓判を押されたのだ。

森若さんはどれだけ救われたことだろう。胸が痛くなった。

自分の仕事が正しく評価される喜びは、社会人にとって何よりも嬉しいものだ。

 

私は麻吹さんのように、自分の信念を曲げずに強く生きることはできないだろう。

やっぱり周囲との関係は気になるし、彼女のように強く発言できる立場にはいないからだ。

しかし、繊細さん特有のよく気がつく特性で不正に気づき、一丁前に正義感は他者より強いものだから常日頃モヤモヤしている。

せめて、彼女のように周囲の人間への敬意と誠実さだけでも大切にできればと思う。

波風を立てることが不誠実ではないと、教えてくれたのだから。

 

「私は常に戦いだと思っています。仕事も人生も。自分と戦って、勝って初めて人は成長するんです。有本さんや佐々木さんにそれができないと決めつけるのは侮辱です。人は変われるんですよ。自分に勝って。」

 

 

 

 

 

 

原作やコミック版も気になる人は是非チェックしてほしい。電子書籍でも購入できるようだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

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アラサー繊細さんが真剣に将来を考えたとき、結局現状維持という結論にたどり着いた話(前編)

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仕事、

恋愛、

プライベート、

 

ここ数週間で、めまぐるしい変化があった。

 

それは、取るに足らない些細な疑問であったり、

今後の生活を考え直さなければならないような大きな問題であったり、

少し虚しさが残ったりもした。

 

繊細さんは、変化に弱い。

様々なことに気づき、感じてしまう性格から、考えるタスクが他の人よりも増えてしまうからだ。

 

そして、対応しきれなくなると身体に影響が出る。

私の場合は、睡眠の質の低下と肌荒れだった。

 

 

 

このように繊細さんが行き詰まった時、重症化する前に解決する方法がある。

それは、「書き出すこと」と「話すこと」だ。

 

今回は、私自身をモデルにこの方法を紹介していこうと思う。

 

 

 

まずは、書くこと。

これは、実際に紙とペンを使って書き出すことが難しいのであれば、

スマホのメモ機能やTwitterなどのSNSを使って、自分の気持ちを文字に起こすのでもよい。

机に向かうよりもベットに寝転んでスマホを操作するほうが、より手軽にできる。

 

書き出す内容は、自分が思ったこと、感じたこと自由に書いてもらって構わない。

筆が進まないようであれば、以下の例に沿って書いてみてほしい。

 

・良し悪しを問わずに感情が動かされた時、自分がどのように感じたのか

・自分が置かれている状況を挙げ、それぞれの状況に自分がどのように感じたのか

 

とにかく自由に書いてみてほしい。

大切なのは自分がどのように感じたかということだ。

 

 

 

おススメなのは、感情から書き出していくことだ。

 

悲しい→《どうして?》仕事でミスをしたから→《どんなミスだった?》入力ミスだった→《その時の状況は?》書類が机に散乱していて、周囲から一気に仕事を振られてパニック状態だった…

 

これだけでも、マルチタスクが苦手だから仕事を丁寧にこなせる環境を整える必要があることが分かる。

というように、内容をひとつひとつ精査していく。

順を追って精査する行き詰まってしまうようであれば、とにかく自分の感情だけを書きなぐった後に掘り下げる方法でもよい。

 

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私の例を一部挙げると、

 

*残業が多すぎで身体がもたない

・転職したい→年齢的に難しいのではないか

・今の会社への不満と良いところ→(身バレ防止のため敢えて伏せることにする)

・どのように変化すれば私は満足する?→(その内容)

・転職することでそれは解決するのか?   

 

書き出す前の私の頭の中では、「残業が辛い、辞めたい、接客が辛い、もっと寝たい、もっとお給料がほしい、プライベートな時間がほしい、仕事ばかりで私のプライベートはどこにいったの?、、、、、」という単語がぐるぐる回り不満で充満していた。

しかしその感情を整理してみると、「接客が辛い」や「もっと寝たい」という不満は些細なもので、「もっとお給料がほしい」や「プライベートな時間がほしい」という希望よりも、「心地よい人間関係で働くこと」の方が大切であることが分かった。

 

以上のことからこの項目について、

《私が悩んでいたこと》

・残業は辛いけれど、今の良好な人間関係を捨ててまで転職するリスクを負うのはどうなのだろうか?

《私が気づいたこと》

・会社選びで重要視するのは、人間関係であったこと

 

ということが、明確になった。

 

 

そして面白いことに、「人と関わらない生活を送りたい」「黙々と1人でできる仕事がしたい」と思っていたのに、「先輩たちとの雑談が楽しい」「お客さんとの掛け合いが楽しい」と書き出していた。

 

私にとって会社の同僚とくだらない会話をする時間は、楽しく、重要なリフレッシュタイムであったということ。1日中パソコンに向かって記事を書くだけだと、なんだかモヤモヤしている自分がいたこと。今の会社で働き始めて、人と関わることが自然と楽しいと思えるようになっていたこと。

 

このように、思ってもいないことを書き出している自分に出会えたりする。

そしてそれは、確信をつく重要なキーワードだったりする。

 

感情を書き出すことを習慣化しよう。

徒然なるままに書き出せば、自分の知らない自分に出会うことができ、より自分を見つめ直すことができる。

 

 

*総括

・モヤモヤしたら感情を書き出す

・感情からひとつひとつ内容を精査する

・内容をゆっくり読む

・今の自分の悩みを明確にすること

・自分の本心を知ること

 

 

 

長くなってしまったため、「書くこと編」と題して前後編に分けることにする。

 

 

 

 

 

 

 

 

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女として生きるのは...「これは経費で落ちません」第4話

 

あっという間にお盆が明けて、

風鈴の音も寒々しく感じるようになった晩夏。

 

今日のホームシアターのおともは、カルピスサワー。

 

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もう少しだけ、夏を感じていたいというささやかな抵抗。

 

作品は、多部未華子が主演の『これは経費で落ちません』。

 

同枠の『凪のお暇』も録画しているため、

こちらは再放送を録画して、週末の楽しみとしている。

 

 

今回放送された第4話のテーマが、超ど級のどストライクだった件について。

 

第4話の森若さんは、

・意識高めのセミナーに通い、1人でも生きていけるような将来を模索する

・親の健康面に不安を抱え、同期の結婚に焦る。

・総務課のコーヒーサーバー導入案件から、女性としての職場での在り方に疑問を抱く。

と、まさに今の私そのもの。

アラサーOLには耳が痛くなるような、重い重いお話。

 

世は男女平等を提言してはいるけれども、

天天コーポレーションのような古きよき(?)企業はまだまだ残っている。

そんな企業で働く女性たちの葛藤が、今回のテーマだ。

 

では、男性社員へ問う。

営業部長へのお茶入れに、なぜか営業部の女性社員へ声がけをしたり(女性部員が電話対応中だったため、結局総務部の女性が対応したけれど、声がけした営業部員がやればよかったのでは?)、

総務部の女性陣がコーヒーを配るのよしとする精神は、いかがなものだろうか?

女性社員は、男性社員に媚びを売ることも仕事のうちとでも?

 

男へ媚びれば、良い結婚へと繋がるなどという甘い考えをもっている総務部女子に問う。

玉の輿に乗ることをゴールとしているようだけれど、本当に結婚がゴールといえるのだろうか?

結婚相手が働けなくなったら?

 

結婚なんてまだ先のこと、或いはフリーを貫きたいと考えている独身女性へ問う。

1人で生きていくにはそれなりの覚悟と準備が必要だけれど、人生プランはどうお考えだろうか?

 

アラサーという年代は、今後の人生を考える重要な分岐点である。

それぞれが今後の人生への不安を抱え、もがき、苦しむ時期。

 

森若さんはこの葛藤に、

「誰もがもっている不安なのだから、平凡な毎日でも今の生活が幸せ。」

「一寸先は闇とも言うけれど、その先は光かもしれない。」

「これが正解かどうかは分からないけれど、今はこれでいい。」

という形で折り合いをつけた。

 

なるほど、クレバーな森若さんらしいシンプルな答え。

正解がない疑問だからか、少しだけ逃げを感じるけれど、

この答えにはそれぞれの正解があるのだろうから、敢えて突っ込まないことにする。

私が森若さんの立場だったら、そう答えるだろうし。

ブレない森若さん、かっこいい。

 

覚悟を決めれば、あとは前へ進むのみ。

 

苦しみに折り合いをつけた30代は、人生において最も楽しい時期となる。

ある意味、本当の意味での大人になれるのね。

 

 

 

 

 

 

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共演者をも魅了する花總まり様『エリザベート』8月12日ソワレ

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ここ数日、うだるような暑さが続いているけれど、

15時を過ぎれば肌を刺すような太陽も傾き始め、

青空を楽しむ余裕がでてきた。

むしろ、風が出てきて過ごしやすいものだ。

 

私は、JR有楽町駅から東京帝国劇場へ向かっている。

目的は、東宝ミュージカル『エリザベート』のソワレ公演。

日本を代表するシシィ役者、花總まりの主演回だ。

 

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開演時間30分前ということもあり、会場は観客で溢れかえっていた。

今や東宝ミュージカルの代表作のひとつとも言える人気公演だ。

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ファン達は、会場のポスターや装飾の記念撮影に余念がない。

かくいう私もその1人だ。

 

ソワレ公演のキャストは、こちらの通り。

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この公演何よりの楽しみなのは、当然初見の花總シシィだが、

ルドルフ役から一気にトートへと駆け上がった古川トートにも目が離せない。

『1789』『MA!』と共演が続いている2人が、どのような掛け合いを見せてくれるのか。

 

フードSHOPで軽く腹ごしらえを済ませると、期待とお腹を膨らませつつ、私は座席へと足を進めた。

この時のお供は、資生堂パーラーのビューティプリンセス マンゴー with アロエ だ。

食欲がない暑い夏でもつるっと飲むことができる。

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座席は1階P列29番。

ステージ0番を真正面から楽しむことができる最高の席。

あの鏡の間の純白のドレスを肉眼で拝めると思うと、譲ってくれた先輩にただただ感謝だ。

 

トランペットやクラリネットのチューニングが終わると、照明が落ちていく。

いざ行かん、黄泉の世界へ…

 

 

*エリザベート:花總まり

私が彼女のファンになったきっかけは、初演のエリザベートの最後通告の場面を見たことによる。トートの誘いを激しく突き放し、歌いあげるシーンだ。

 

「嫌よ逃げないわ 諦めるには早い 生きてさえいれば 自由になれるわ」

 

他の娘役達のようにヒステリックに拒絶したり、死へと心が傾きかけたが間一髪で逃れることができたという小芝居感がない。

最初から死ぬことなど眼中にない。母になり、強くなったシシィが死へ逃げようとするのは、

ルドルフを失った時でなければならない(これは私の主観であるため異論は認める)。

彼女シシィは、私の思い描くシシィ像そのものだった。

 

2019年の彼女は、当時よりも何倍も、いや、何百倍も進化していた。

彼女が少女から晩年まで難なく演じきることができるのは、敢えて触れないことにする。

 

彼女の魅力は、感情のこもった歌だ。語りかけるように、歌う。その歌に、磨きがかかっていたのだ。

 

宝塚時代は泣きながら歌っていた「私だけに」。

東宝版では微笑みを浮かべている。この時のシシィは、まだ自由になれることを信じて疑わない。完全に覚醒しきっていない。失望を無邪気さに変えるような、少女の影を残しているのである。

そして、「私だけに(リプライズ)」で、完全に覚醒するのだ。(ここは代表的な「鏡の間」の場面であるため、彼女のドレス・扇子捌きは必見だ。しっかり目に焼き付けてもらいたい。)

 

「私が踊るときは」では、退団後に鍛えてきたミュージカル歌唱が光り、地声はほとんど使うことがなくなった。

前半は周囲に自分を認めさせた喜びに満ち溢れ、声色に笑みが浮かんでいた。これからは自分を貫いていけるという自信と確信をもって、トートを寄せつけない。「ひとりでも私は踊るわ」のフレーズを、完全に地声で歌うことができるようになり、大きな強みになった。

 

「魂の自由」で孤独と自由の間でもがく自分を嘆き、体操室で初めて死へ心が揺れ始める。

「パパみたいに(リプライズ)」の「パパなの?」というフレーズは、絶品だった。

「僕はママの鏡だから」でルドルフを冷たく拒絶する声色や、彼を失った後に涙でぐちゃぐちゃになった歌声。

そして「夜のボート」で晩年を演じきった直後に、「愛のテーマ」で一気に若返ってみせた。

 

後半は駆け足になってしまったが、総じて私が言いたいことは、

『エリザベート』は、彼女の真骨頂である歌を存分に堪能できる作品であり、彼女のシシィを生で観ることができて幸せだということだ。

 

満足度、幸福度が他の作品に比べてとても高い。

 

この日のために私は生きてきたと言っても過言ではない。

 

インタビューでの回答や吹っ切れたような演技をみていると、彼女のシシィを見ることができるのは、もう残り少ないのかもしれない。

だからこそ、この公演を観ることができたのは奇跡に近い。

 

*黄泉の帝王トート閣下:古川雄大

彼のことを知ったのは、『ミュージカルテニスの王子様』の不二周助役だ。

恐ろしいほどに整った顔に、蕩けるようなウィスパーボイス、そして、バレエで鍛えたしなやかなダンスでファンを魅了していた。

しかし、当時の彼には帝劇ミュージカルで主演を張るような片鱗はどこにもなかった。

 

それは、小池修一郎の愛の鞭によるところが大きいだろう。

 

帝劇で彼を初めて見たのは、『MA!』のフェルセン役だった。

残念ながら、相手役の花總まりの怪演に食らいつくのに必死で、見目麗しい騎士以上の印象がほとんどなかったように思う。

しかし、彼も女優花總まりに感化されたうちの1人であることは、インタビューでよく挙げられている。

性別を超えて、彼女の演技をこの公演を含めて一役者として向き合うことで、大きな成長を遂げていった。

 

そのひとつが、皇太子ルドルフである。

花總シシィが帝国劇場で復活を遂げた公演で、彼はルドルフ役として出演していた。

それまでのルドルフは印象が薄く、見目麗しい皇太子以上にはなれていなかったようにみえたが、花總シシィと組むことによって役とひとつになれているような、良い意味で芝居に遠慮がなくなった。

ママと言いながら彼女に抱きつく様がそれだ。

 

そして、トート閣下である。

前述の通り、『MA!』で花總まりと恋人役として勉強した時間が大きな糧となっていた。

 

まず、死という概念が他のトートたちと比べて濃い。

物語序盤は喜び・悲しみ・怒りの感情が単調に見えるだけの、無機物に近い存在だった。

ある種、シシィに抱きつかれて動揺に近い感動を見せるような井上トートとは対照的だ。

 

しかし、シシィを追いかけることによって徐々に愛という感情に感化され、時折涙をみせる。

あの涙が計算されたものであるのならば、彼はとんでもない役者だろう。

そして、愛のテーマでシシィを横たえた後の「はっ」とした表情は、シシィへの愛情に染まった「男」そのものだった。

 

初めてのトート役で、花總シシィに食われることなく新しいトートを演じきった彼に、大きな拍手を送りたい。

 

そして、公演を追うごとに歌唱力に磨きをかけ、ウィスパーボイスはそのままに、最後のダンスのような激しい曲も歌いこなすことができるようになった彼の努力にも。

 

個人的には、体操室の場面でシシィに迫る姿が大変色っぽく、花總カルメンと古川ホセによる『激情』を見たいと思った。

彼女の背中を追いかけて勉強してきた彼なのだから、彼女が好きで好きでどうしようもないホセ役を自分に置き換えることで、難なく演じきることができるだろう。

 

 

 

また、他のキャストの中で特に印象に残っていたのは、少年ルドルフ役の陣くんだ。

彼の歌は子役独特の「譜面通りに歌えれば及第点」というのものではなく、耳障りの良いミュージカル歌唱として成り立っていた。

将来が楽しみである。

 

そしてプリンシパルの歌唱は、さすがの帝劇クオリティ。迫力が違う。

冒頭の「我ら息絶えし者ども」では、エリザベートを見ることができるという嬉しさと相まって、滝のような涙が流れた。

開始数分で泣き出した私の見て、両隣の方々はかなり驚かれたことと思う。

 

 

 

 

 

帝劇から新幹線に乗り込むまでの記憶があまりないのは、満足のいく観劇で心が満たされていたためだろうか。

或いは、花總シシィを今後観ることができないかもしれないという悲しみか、古川トートの色気に充てられたから...

新幹線の窓に映るネオンを見て、花總シシィと古川トートに思いを馳せた。

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